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和尚、理系について説く

間違って理系に入ってしまった僕が語る、理系についての知識、考えなどなど。間違っている可能性があるのでお気を付けを。見つけた方はご一報をください。

等速度運動と等加速度運動:慣性系と非慣性系

直線の運動

この世の中には様々な『運動』があります。この場合の『運動』とは別に体を動かすことではなく、『物の動き方』の事を指しています。ビヨンビヨンと動くバネや振り子、上から下へと流れる水もまた『運動』といえるでしょう。ただ真っ直ぐ動くだけの一次的なものもあれば、そこに横の横の動きが加わった二次元的な『運動』や、さらには高さなども加えた三次元的な『運動』ももちろん存在します。

 

今回は直線的に動く場合の『運動』について書いていきたいと思います。

直線的な『運動』のイメージとしては、長く真っ直ぐな道を走っている車や自転車、電車などを想定してください。一応カーブは厳禁で。

直線の『運動』は物の動きを考える場合の基礎的な部類です。そのためまずはここから噛み砕いて説明していきたいと思います。

 

等速度運動と等加速度運動

基礎的な直線の『運動』といっても、その気になればいくらでも複雑化することはできます。ですのでここはさらに簡単にして、等速度運動等加速度運動について考えていきます。

等速度運動とはその名の通り、『速度が一定である運動』を指します。車で例えるなら常に80km/hの速さで走っているようなものです。

等加速度運動は以前にも説明したかもしれませんが、『加速度が一定である運動』を指します。常に一定の速度だけ加算されていくことを指しているのです。車で言うならば1分毎に1km/h加速していくようなものです。

 

等速度運動の速度が20km/hであるとします。この場合30分走らせれば、移動距離は次の式で表せれます。

 

20(km/h)×0.5(h)=10(km)

 

簡単ですね。小学校で習う問題だと思います。

 

次に等加速度運動の場合。最初の速度が20kmだとしてそこから1分毎に1km/h加速していくとします。

その場合、30分走らせた時の移動距離はどうやって計算するのか?

以前、こちらで方程式は作成しています

微分と加速度 - 和尚、理系について説く

まあでも正直(自分でも)分かりづらいので、書いていきたいと思います。

 

考え方は色々あると思います。例えば1分毎に細分化してその合計値で求める方法。

0分では20km/h、1分経てば21km/h、2分で22km/hというように、その都度速度と移動距離を計算していく方法。

時速を分速に直して考えるのです。

つまり{20/60(km/min)+21/60(km/min)+22/60(km/min)+……+50/60(km/min)}×1(min)=

という方法です。

恐らく誰もそんな方法で解きません。ですがこれでもっと簡易な方法が見えたと思います。

そう、等差数列の和ですね。

 

等差数列の和とは、一定の間隔が開いた(公差)数列の合計を導く方法です。

1,2,3,4……では、1ずつ差が開いた数列。

1,4,7,10……では、3ずつ差が開いた数列。

数学ではこのような数列を等差数列と言います。場合、初めの数字と終わりの数字さえわかっていれば簡単に合計を出すことができます。

 

数列では数列内の数字のことを項と呼び、、数列の初めの数字(初項)と終わりの数字(末項)を足して、項の数だけ掛けてやり、2で割れば求める値が出てきます。

 

例題を出します。

1,2,3,……8,9,10という数列があります。

この合計値を仮にAとしましょう。

 

A=1+2+3+……8+9+10

となります。ここで足し算の順番を入れ替えます。

 

A=10+9+8+……3+2+1

とします。勿論順番を入れ替えたからと言ってAの値が変わるわけではありません。

 

そしてこの二つの式を足します。 

 

(A+A)=(1+10)+(2+9)+(3+8)+……(8+3)+(9+2)+(10+1)

  2A=11+11+11+……11+11+11

となります。ここで11は項の数だけあるというのが分かると思います。

なので右辺の合計は11×10=110

後は両辺を2で割れば、Aの値が55であることが求まります。

 

全ての等差数列は上記のように初項と末項の合計を項の数だけ掛けた後2で割れば求めることができるのです。

 

閑話休題

というわけで等加速度運動時の総移動距離は、

{(20+50)/2(km/h)}×0.5(h)=17.5(km)となります。

 

{}の内側の式が、等差数列の和の式になります。

分かっている人には何を今さらと思うかもしれませんが、(20+50)/2は、平均の速度を示しています。等加速度運動のみの場合ですが、初速と最終速度を足して2で割れば平均の速度が出てきます。

色々回りくどく書きましたが、こんな簡単な式で求めることができます(汗)。

等速度運動は言うなれば、平均の速度が最初から分かっている状態ですからね。

平均の速度さえ求まれば、移動距離は簡単に求められます。

 

等速度運動の場合、速度が定数なので、計算も簡単なのですが、等加速度運動の場合、速度も時間によって変わる変数になるので注意が必要になります。

 

慣性系と非慣性系

前回の記事でも書きましたが、慣性系と等速度運動の関係性は非常に深いものです。

地球が等速度運動をしているおかげで、我々は慣性系に存在し、運動の法則を利用することができるのです。

じゃあ等加速度運動ではダメなのか?という疑問を持つ方も居られるのでは(僕は持った)。

結論から言うと、ダメです

等加速度運動の場合、正か負か分かりませんが速度が変化しています。速度が変化しているということは、外部から何らかの力を受けているということになります

これは絶対です。力を受けなければ速度が変わることはありません。車もアクセルを踏まなければ、空気抵抗と地面との摩擦という力によって減速します。坂道の場合は本来下向きの重力が横の力に変化して加速していきます。

先程の等加速度運動の車に乗ったとしましょう。その移動中に車からボールを上空に投げたとします。ボールは十秒間宙に浮いていたとします。

その十秒間の間で、貴方とボールの間には10km/hもの速度差が生まれました。車に乗っているならばエンジンによって加速されますが、宙にいて力を受けていないボールは、ボールを投げた瞬間の速度でしかないのです。当然、ボールは投げ手の元へ戻ってくることもなく、10km/hの差だけ前に進んだあなたの後ろに落ちてきます。

 

外部から力が加わってないのに、まるで減速したように見えるこの状態は、もちろん非慣性系になります。

物理では観測者は、あくまで定点であることが求められるのです。

 

まとめ

  • 平均の速度を求めれば移動距離はカンタン。
  • 観測する側は動いちゃダメ、ゼッタイ。