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和尚、理系について説く

間違って理系に入ってしまった僕が語る、理系についての知識、考えなどなど。間違っている可能性があるのでお気を付けを。見つけた方はご一報をください。

力学:ニュートンの運動方程式F=a×mが示す意味

物理

こんにちは。和尚です。

今回は力学において絶対に習うと言っても過言ではない

ニュートン運動方程式 F=m×aについて触れていこうと思います。

1.『ニュートンの』運動方程式

まず最初に行っておきたいのは、

F=m×a……(1)

というものはあくまで、『ニュートンの』運動方程式だということ。

何が言いたいのかというと、この運動動方程式はある条件下でしか利用できないということです。

光の速度に近づくとこれは役に立たないそうです(詳しくは知りません。申し訳ない)。

 

ただこれは僕たちの日常生活レベルでは十分に役に立つので、あまり気にしてはなりません。

それ以上に気を付けなければならないのは、運動方程式はこれ以外にも沢山あるということです。

大雑把に言えば、物体の動きを表す式があれば、それがすでに運動方程式になるのです。物体の数だけ運動方程式は存在するのです。円の動きを示す運動方程式があれば、ばねの運動を示す運動方程式があります。このニュートン運動方程式は、主に直線運動を示したものになります。

僕は大学に入ってしばらくの間、運動方程式ニュートン運動方程式だったので、その認識を手に入れるまで随分苦しみました。

様々な運動方程式があるなか、特に有名な運動方程式であるため『ニュートンの』運動方程式と、わざわざ名前が書かれているのです。

 

皆さんは運動方程式ニュートン運動方程式、とは限らないということを注意してください。

 

2.記号の定義

それでは、ニュートン運動方程式で使われている記号を定義していきます。

F,m,aをそれぞれ定義すると

F:力 (N)

m:質量(kg)

a:加速度(m/s^2)

です。

括弧の中は単位になります。

Fの単位Nはニュートンと読みますこのニュートン運動方程式がそのまま単位Nの定義式となり、

N=m/s^2×kg……(2)

と単位変換できます。

この単位変換はたびたび使うことになるのですが、ニュートン運動方程式を知っていれば簡単に導くことが出来るので、これだけでもこの式を覚えておく価値があります。

 

3.力とは何なのか?

Fとは力であると前項で書きましたが、では力とは一体何なのでしょうか?

F=0の場合を考えてみましょう。

F=0となるのは、m=0またはa=0である場合です。

m=0、つまり質量0なので、力を掛けようはありません。

a=0、つまり加速度0のとき、物体は停止している、または等速運動をしています。

 

ちょっと待ってください。物体が停止しているときF=0、つまり『力』が0なのは分かります。動いてないんですもの。

でも、等速運動をしている、つまり動いているのに『力』が0というのは、どういうことなんだろう?

この理論でいえば、100Km/hで走っている車も160km/sの豪速球も、はたまた音速を超える銃弾すらも『力』が0ということになるのでしょうか?

 

僕が物理習いたてのころはこの疑問が頭を離れませんでした。動いているのに『力』が無いなんておかしいじゃないか、と。

ちゃんと物理を理解していなかったために、このような疑問を抱いてしまったのです。

 

結論から言えば、まったくおかしい所はありませんでした。

 

地球は常に、時速約1700km/hという凄まじい速度で自転しています。その上に乗っている僕たちも当然同じ速度で動いていることになります。

では僕たちはその凄まじい速度を実感できていますか? できませんよね。「あ、あのビルは時速1700km/hで動いているな」なんて思いません。

それと同じように、動いている物体と同じよう速度で自分が動けば、その物体は止まっているのと等しくなるのです。

 

結局『力』とは何なのか?

ここで定義に戻りましょう。Fの単位はN、Nは(2)より、kg×m/s^2です。

単位に従うと1Fの『力』とは、1kgの物体に1m/s^2の加速度を加えていくことになります。

1Fの力を1秒加える、つまり1(F)×1(s)=1(F×s)=1(kg×m/s)となり、速度が増加する。

 

つまりこの『力』は、物体の速度に対して加速・減速を引き起こすものを指すのです。

80km/hで走っている車が100km/hに速度を変えるとき、車には正のFが掛かっており、60km/hに減速するときは、車に負のFが掛かっているのです。

 

4.例題

10Kgの物体Aが速度100m/sで移動しているとき、静止した5kgの物体Bにぶつかったとします。衝突後、0.01秒掛かって物質Aが完全に停止し、力の全てが物質Bの加速に利用されたとき、物質Bの0.01秒間の加速度と、最終的な速度はいくつになるか?

 

衝突以前:物体Aは等速運動なので、外部から『力』は加わってません。

衝突直後:物体Aは0.01秒掛けて、100m/hから0m/hに速度が変わります。速度が変わるということは加速度が生まれるということです

なので加速度は

(0-100)/0.01=-10000(m/s^2)

になります。

ですのでこの0.01秒の間で働いた力Fは

F=10×(-10000)=-100000(N)

これだけの力が物質Aに働き、停止しました。

 

物質BにはAに働いた力の逆方向の力が働く。この場合では物質Bに働く力は

F=-1×(-100000)=100000(N)

になります。 

(1)より加速度は

a=F/m=100000/5=20000(m/s^2)

この加速度は0.01秒の間だけ働いたので、物質Bの速度は

20000×0.01=200(m/s)

 

以上より加速度20000(m/s^2)と速度200(m/s)であることが分かります。

 

 

5.まとめ

『力』とは、質量と加速度を掛けた物理量

物質が動いていても、等速運動なら加速度0なので、『力』は0

日常で使う力と物理で使う『力』は、ちょっと意味が違う

 

次回は『運動の法則』について書いていきたいと思います。