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和尚、理系について説く

間違って理系に入ってしまった僕が語る、理系についての知識、考えなどなど。間違っている可能性があるのでお気を付けを。見つけた方はご一報をください。

平均の速度と瞬間の速度

物理 数学

こんばんは。和尚です。

今回は平均の速度と瞬間の速度について書いていきます。

速度や加速度については『単位について』でも本当に軽く触りましたが、今回からより詳しく物理での扱われ方を書いていきたいと思います。

 

まず最初に、速度には、『平均の速度』と『瞬間の速度』の二つが存在します。

例えを上げます。

貴方が家から、30Km離れた友達の家へ車で向かったとします。出発してから30分後にその友達の家へと到着しました。

このとき実際の移動距離と時間の関係から、30(Km)÷0.5(h)=60(Km/h)となります。

これがいわゆる『平均の速度』というものです。

 

しかし実際の運転になると、常にこの速度で走っているわけではありません。

加速しているときもあれば減速しているときもあるし、信号に引っかかって速度が0のときもあります。その一瞬一瞬を切り取ったときの速度が、『瞬間の速度』となります。

 

ではこの『瞬間の速度』どうやって求めるのか? そのためにはより厳密な『平均の速度』の求め方を知る必要があります。

下のグラフをご覧ください。 

    f:id:osyousama:20151215225430p:plain

横軸を時間t(s)、縦軸を移動距離m(m)とします。グラフに描かれた曲線が速度v(m/s)の変化を表しています。

今回は分かりやすくするため、移動距離mと時間tの関係を

       m=t^2……(1)

と置きます。

 

ここで速度vを関数v(t)として表します。

この関数v(t)は、tの数字に依存した関数ということを示しています。

実際に速度vは式で表すと

    v=m/t=t^2/t=t……(2)

となります。そのためvはtの値によって、その数値を変えるのです。

そのことを示したのがv(t)という関数なのです。ですのでv=v(t)を考えて頂いて問題ありません。ただ理系ではf(x)などという形が多いため、そちらに合わせたのです。こちらのほうがvという値が何に依存しているのかが分かりやすいのではないかと思います。

 

(2)より、100m進むときの『平均の速度』を求めると、100(m)÷10(s)=10(m/s)、つまり秒速10mとなります。

逆に5秒進んだ時の『平均の速度』を求める場合、5^2÷5=5(m/s)となります。

 

今までは『平均の速度』を原点から、つまり横軸縦軸、共に0の値から求めていました。

ここで、原点から離れた場所での『平均の速度』を求めていきます。

 

まず、tが5~10の時の『平均の速度』を求めていきます。t=5のときm=25、t=10のときm=100。その速度は(100-25)/(10-5)=15(m/s)となる。

 

その次にtが5~7の時の 『平均の速度』を求める。t=7のときm=49。その速度は(49-25)/(7-5)=12(m/s)となる。

 

ここまででお気づきだろうが、『平均の速度』の求め方は、

(距離の変化量)÷(時間の変化量)

だということになります。

変化量と言うと畏まった言い方になりますが、ある点から別の点との値の差のことを指しているだけです。ただ物理ではしきりにこの変化量という言葉を使っており、記号としてもΔを使って表現します。今回の場合ですと、時間tの変化量をΔt,距離mの変化量をΔmと表現します。

なのでその表現方法に則ると、

 

Δtでの平均の速度=(距離の変化量)÷(時間の変化量)=Δm/Δt

 

と書けます。『平均の速度』の求め方の定義としては上の式になります。

 

『平均の速度』の求め方は分かりました。

では『瞬間の速度』はどう求めるのか?瞬間というからには、まさにその点での速度を求めなければなりません。しかし距離も時間も変化していないのに、速度を求めることはできません。そのまま速度を求めてしまうと、その点での変化量は0、つまり速度も0になってしまいます。

ここで数学者は凄いことを考えました。

 

上記の例に当てはめると、t=5からΔt=2だけ進んだ時間での平均速度が12m/sであるということを求めました。

そこで数学者はΔtを限りなく小さく、0.00000000000000000001より更に小さく、無限小という限りなく0に近い数字となる場合、それはt=5であるまさにその時の速度と等しくなるのだ、と考えました。

つまり、t=5からt=5+無限小という時間だけ動いた場合、m=t^2という式から、5^2と(5+無限小)^2という値が求まる。

この四つの値から、

Δm/Δt=(5+無限小-5)/{(5+無限小)^2-5^2}

 

これがt=5の時の『瞬間の速度』である。

 

つまり『瞬間の速度』の定義とは、『無限小の時間の変化量(Δt≒0)で、無限小の距離の変化量(Δm≒0)を割ること』なのである。

これを式で書くと下になる。

             f:id:osyousama:20151218231618p:plain

これが瞬間の速度を求める、一般式です。

limとは、下の変数(この場合Δt)を矢印の先の数字に、限りなく近づけるという意味です。これを極限といいます。

mはtに依存した数なので、tが小さくなるとmもまた小さくなります。ここで無限小となったΔtで、同じく無限小となったΔmを割ることができます。

この極限に使って求めた数値、極限値を使って『瞬間の速度』を求めるのです。

 

では実際にt=5のときの『瞬間の速度』はいくつになるのでしょうか? 計算していきたいと思います。

ここでΔmを少し分解してみましょう。(1)で定義したように、m=t^2です。ΔmはΔt秒間での距離の長さの変化の量ですので、Δmはtを使って、

    Δm=(t+Δt)^2-t^2……(3)

と書き直すことが出来る。右辺の一項をm1、二項をm2と言い換えることが出来るので、Δm=m1-m2とも書くことが出来る。

 

 (3)を展開すると、

 Δm=(t+Δt)^2-t^2

  =(t^2+2t*Δt+Δt^2)-t^2

  =2t*Δt+Δt^2

となる。

極限の式に代入すると、

      Δm/Δt=(2t*Δt+Δt^2)/Δt=2t+Δt……(4)

となる。

ここで極限により、Δtが限りなく0に近づきます。ですのでここではΔt≒0として扱います。厳密には小数点の下に気が遠くなるほど多くの0が続くその果てに、1が存在するということになっているのですが、それはもうほぼ0だから、0として扱ってよいことになっていますので、遠慮なく使いましょう。

 

ですので極限limにより(4)のΔtを0とすると、

瞬間の速度v=2tとなります

ここでtに5を代入すると、v=10が導けます。これがt=5のときの瞬間の速度になります。

ここで下の図をご覧ください。

    f:id:osyousama:20151219004550p:plain

曲線が速度、直線がt=5のときの瞬間の速度になります。

『瞬間の速度』の線はは、求めたその瞬間での接点になる傾きとなるのです。

 

ここまでは高校の数学で習ったわ! という方も多く 居られると思いますが、これは理系に必須の、微分に繋がる大事な部分です。これをしっかり理解していないと僕みたいに苦しむことになる可能性があるので、しっかりと踏まえておいてもらいたいです。

 

次回は微分の定義について、そして加速度について書いていきたいと思います。